名興文庫の相談役 堅洲斗支夜への業務命令報告

お知らせ

 名興文庫を応援してくださっている皆様、いつもお世話になっております。代表代理の天宮さくらです。

 この度、名興文庫の相談役 堅洲斗支夜がX(旧Twitter)上にて発信している意見に対し、「名興文庫全体の意見という認識で間違いないか」というお問い合わせがありました。それを受け、私は代表代理の権限をもって名興文庫の相談役 堅洲斗支夜に対し業務命令を出すことを、ここにご報告させていただきます。

 事の発端は、理不尽な孫の手先生原作『無職転生~異世界行ったら本気だす~』のアニメ『無職転生II~異世界行ったら本気だす~』にて、奴隷少女を買いに行くシーンに対し、海外で物議を醸したことです。

 堅洲斗支夜は前々より、ライトノベルや、特にweb小説の奴隷表現に問題意識を持ち、X(旧Twitter)にて自身の意見を発信していました。内容としては「人権問題を軽く扱いすぎている」「人権意識の高い方達が作品を見たら、創作界隈そのものが潰される」「日本の創作全体が人権意識の低いものと見做され、作品の輸出が禁じられる可能性が出てくる」といったものです。

 今回、堅洲斗支夜が前々より懸念していた事項が現実問題として浮上しました。そのことをX(旧Twitter)にてポスト(旧ツイート)したところ、質問箱を通じて多くの批判・非難・誹謗中傷が寄せられました。

 堅洲斗支夜は『無職転生~異世界行ったら本気だす~』の原作を「プロローグ」まで読み、実際に読んでみたという第三者(プロの作家複数名含む)が発する問題提起や感想、解題を収拾、分析し、作品の概要は把握したうえで自分なりの意見表明を行なっていました。ですが、質問箱のコメントによると、「プロローグだけ読んで全部をわかったように意見するのは筋違いである」「全部を読んだ上で意見を言うべきである」とのことです。

 私は、堅洲斗支夜の『無職転生~異世界行ったら本気だす~』への意見は、個人活動の一環という認識でいました。よって、堅洲斗支夜が『無職転生~異世界行ったら本気だす~』の「プロローグ」を読んで、個人的に読み進めるのが難しいと判断し読書をやめたことは、読書の自由の範疇と考えています。ですが、今回お問い合わせを送られた方は「相談役の肩書がある人物が発信した意見は、名興文庫の意見と同義であるという認識で問題ないか」と尋ねられました。

 そのため私は、今回の件を堅洲斗支夜の個人活動で終わらせるのではなく、名興文庫の相談役という肩書きと共に情報発信すべき、と判断しました。

 表現の自由と言論の自由がなければ、創作はとても息苦しいものとなります。ですがそれは「無法地帯で良い」という意味ではありません。「日本国内で醸成された文化が配慮なく全部海外でも通用する」という考えを、私個人は否定します。

 現在、日本の出生数は減少傾向にあります。これを改善する具体的かつ効果的な方策が実行される未来は、今しばらくは来ないでしょう。人口減少は経済規模の縮小に繋がる可能性がとても高い。日本で生み出されるコンテンツは、国内だけを視野に入れていては、早々に立ち行かなくなるのは目に見えています。

 商業としての出版業の育成、そこから醸成される文化を守り育てるには、日本国内だけで完結してしまう作品ばかりを作り出していては意味がないのです。

 これから作り出されるべき作品は、海外を視野に入れなくてはなりません。その際、「これが私たちの文化である」という表現は重要になります。しかし、押し付けがましくあってはならないでしょう。それぞれの国に文化・歴史が存在し、培われた価値観が存在します。それを全部無視して「理解しないのは悪」と断罪するのは、あまりにも幼稚で愚かな行為であり、礼を失しています。

 発言には責任が伴います。出した言葉は回収できず、ネットに綴られた文章は予想以上の広がりを見せるものです。

 名興文庫の相談役 堅洲斗支夜はその責任を、その場のノリや気分で放棄しない人物であると、私は信頼しています。よって、名興文庫の相談役 堅洲斗支夜に対し業務命令を出したことを報告します。

業務命令:『無職転生~異世界行ったら本気だす~』を現在公開されている全文を読了し、作品の純然たる批評、なろう系の問題点、ライトノベルの今後の展望について意見をまとめ、名興文庫の公式ブログにて記事を公開すること

  記事の公開はどんなに早くても来月になると予想されます。今しばらくお待ちください。

 以上